ホワイトニングの種類
大きく分けて歯科医院内で行う「オフィスホワイトニング」と自宅で行う「ホームホワイトニング」に分けられます。また、オフィスホワイトニングは方法もさまざま。予算や生活習慣によっても変わってきます。
ここではホワイトニングの種類とその方法、大まかな料金をご紹介致します。
オフィスホワイトニング
ハイライト 1992年~ |
日本の企業、松風のアメリカ法人が発売した、世界で最初のオフィスホワイトニングで、最もベーシックな方法です。現存のすべてのオフィスホワイトニングの原型となりました。ホワイトニング剤を歯に塗りハロゲンライトを当てて、徐々に歯を白くしていきます。通常1回の施術でカラーガイド1~2段階白くすることができます。施術時間は1回約20~30分程度で終わりますが、1回ごとの効果は弱いので十分に白くするには数回の施術が必要な場合があります。 |
ハード |
ハロゲンライト、LED |
薬剤 |
35% |
時間 |
1回15分~30分 |
料金 |
1本数千円~1万円前後 |
レーザーホワイトニング(アルゴンレーザー) 1992年~ |
ハロゲンライトの替わりに、ホワイトニングに効果のある波長(300~500nm)を持つアルゴンレーザー(457~514nm)を代用することにより、ホワイトニング剤を強力に活性化、効果的に短時間で歯を白くすることができます。通常、1~2回の施術でカラーガイド3~4段階くらい白くなります。1本ずつ光を当てていくため1回1~1時間半位かかります。現在ではアルゴンレーザーが製造中止となったため、ダイオードレーザーに代わっています。 |
ハード |
アルゴンレーザー、ダイオードレーザー |
薬剤 |
35% |
時間 |
1回1時間前後 |
料金 |
1本1万円~3万円 |
スピードホワイトニング(プラズマアーク、キセノン) 1994年~ |
高価なレーザーの代替として登場したホワイトニング方法。ハロゲンライトの400nm付近の波長部分のみを3倍程度に増幅し、アルゴンレーザーと同程度の効果を出すことに成功、薬剤も同じものを使用しています。プラズマアークライトやキセノンランプなどハイパワーな機械を使ってホワイトニング剤を強力に活性化させることにより効果的に短時間で歯を白くすることができます。通常、1~2回の施術でカラーガイド3~5段階くらい白くなります。1本ずつ光を当てていくため1回1~1時間半位かかりますが、現在では光を拡散させるクリスタルトップを取り付けて前歯全体に光が当たるようにすることもできます。 |
ハード |
プラズマアークライト、キセノンライト |
薬剤 |
35% |
時間 |
1回1時間前後 |
料金 |
1本1万円前後 |
FAPホワイトニング(光なし) 1995年~ |
過酸化水素にリン酸、フッ素、ハイドロキシアパタイトを配合、再石灰化を促しながら徐々に歯を白くしていきます。通常1回の施術でカラーガイド1~2段階白くすることができます。
1回ごとの効果は弱いので十分に歯を白くするには数回~十数回の施術が必要な場合があります。 |
ハード |
なし |
薬剤 |
35% |
時間 |
1回30分~1時間 |
料金 |
1本1万円前後 |
ブライトホワイト(ガスプラズマライト) 1999年~ |
NASAの科学者Dr.John Warnerが開発したホワイトニングシステム。プラズマライトをアーチ型に配列し、口の中全体に一度に光が当たるようになっています。また、通常は数秒間しか連続照射できないプラズマライトを、強力な冷却装置を装備することで、20分間連続照射が可能、これを3回繰り返します。これによって1回で20本前後の歯をカラーガイド平均8~10段階白くすることができます。2007年にはブライトホワイト2が発売されています。 |
ハード |
ガスプラズマライト |
薬剤 |
15%、25% |
時間 |
1回1時間30分前後 |
料金 |
20本前後 60,000円~100,000円 |
マルチアーチホワイトニング(キセハロゲン、LED) 2001年~ |
ブライトホワイトと同じように光の出口をアーチ型にしたもので一度に12本前後の歯を白くする事ができます。光は高出力のハロゲンライトやキセハロゲンというプラズマライトとハロゲンライトの中間のライト、最近ではLEDを使用していますが、プラズマライトよりは光が弱いため効果はブライトホワイトの約1/3~1/4といったところです。施術時間は30分~1時間程度、1回の施術でカラーガイド2~4段階くらい白くなります。前歯上下12本で1回10,000円前後と値段はお手ごろです。 |
ハード |
キセハロゲン、LED |
薬剤 |
35% |
時間 |
1回30分~1時間 |
料金 |
1回12本10,000円前後 |
ジェルホワイトニング(光なし) 2002年~ |
光を必要としないホワイトニングシステム。
光を使用しないため、ホワイトニング剤の濃度が高く設定されており、知覚過敏が出やすい傾向にあります。薬剤としては オパレッセンスブースト、ヴィーナスホワイトマックス、コントラストa.m. ポーラオフィスプラス、コルゲートヴィジブルホワイト、ニュープロホワイトゴールドオフィスなどがあります。
1回の施術でカラーガイド2~3段階前後白くなります。 |
ハード |
なし |
薬剤 |
25%~38% |
時間 |
1回1時間前後 |
料金 |
1回10,000円~30,000円 |
ズーム(ショートアークメタルハライド、LED) 2003年~ |
ブライトホワイトに対抗して米国ディスカス社が開発したホワイトニングシステム。
ヘッド自体にライトのバルブを並べて入れて、前歯全体に光が当たるように設計されています。
ブライトホワイトと同様、20分間照射を2~3回繰り返します。これによって一度に12~16本前後の歯を白くする事ができます。光は波長の短いメタルハライドを使用。1回の施術でカラーガイド8段階前後白くなります。2005年に照射時間15分を3回に改良した新システム「ズーム2」、2006年に「ズームアドバンス」となり、2008年には「ズームアドバンスプラス」が発売されています。
2011年にはディスカス社がオランダのフィリップス社に吸収合併され、2012年にズームの最新機種でLEDの「ズームホワイトスピード」が発売されました。 |
ハード |
ショートアークメタルハライド 、LED |
薬剤 |
25% |
時間 |
1回1時間~1時間30分前後 |
料金 |
1回12本30,000円~50,000円前後(本数と照射回数による) |
ビヨンド(ハロゲンライト、LED) 2004年~ |
ズームを参考にして中国のピュアネス社(現ビヨンドデンタル&ヘルス社)が開発した中国初のホワイトニングシステム。
ヘッド自体にハロゲンライトのバルブを並べて、フィルターを通すことにより、紫外線をカットしています。ズームと同様、前歯全体に光が当たるように設計されています。
現在はLEDライトを併用したポーラスという機種になっています。1回の施術でカラーガイド2~3段階前後白くなります。 |
ハード |
ハロゲン |
薬剤 |
35% |
時間 |
1回30分前後 |
料金 |
1回12本10,000円~30,000円 |
ルマクール(LED) 2005年~ |
青色LEDをアーチ型にして口の中全体に光が当たるようにしたホワイトニングシステム。
発熱が少なく、知覚過敏が出にくいために開発されましたが、ハロゲンやプラズマよりも効果は弱い傾向にあります。
1回の施術でカラーガイド3~6段階前後白くなります。 |
ハード |
LED |
薬剤 |
35% |
時間 |
1回1時間前後 |
料金 |
1回12本30,000円~50,000円 |
ティオン(LED) 2005年~ |
日本の企業、GCが開発した二酸化チタンと窒素を触媒にすることにより、
効果的にホワイトニングを行うホワイトニングシステム。二酸化チタンが反応する385nm~415nmの波長を持つLEDを使用して、ホワイトニング剤を活性化させます。1回の施術でカラーガイド3~6段階前後白くなります。 |
ハード |
コスモブルー(LED) |
薬剤 |
20% |
時間 |
1回50分 |
料金 |
1回12本30,000円~50,000円 |
ピレーネ 2006年~ |
三菱ガス化学が開発した、二酸化チタンを触媒に使用することにより、従来の1/10の薬剤の濃度にしたホワイトニング。
ハードは380nm~420nmの波長を含むものを必要とします。使用する薬剤の濃度が低いため、知覚過敏が出にくいのですが、効果は弱い傾向にあります。
1回の施術でカラーガイド1~2段階前後白くなります。 |
ハード |
380nm~420nmの波長を含む機械 |
薬剤 |
3.5% |
時間 |
1回20分 |
料金 |
1回数千円前後 |
LEDホワイトニング 2004年~ |
LEDをアーチ型にして口の中全体に光が当たるようにしたホワイトニングシステム。
主に韓国や中国、ブラジルなどで多くのシステムが発売されています。ほとんどのシステムが35%のホワイトニング剤を使用しています。クールブルー、アラジン、スマイルライトなどがあります。
1回の施術でカラーガイド2~5段階前後白くなります。 |
ハード |
LED |
薬剤 |
35% |
時間 |
1回1時間前後 |
料金 |
1回12本30,000円~50,000円 |
ピュールホワイト(紫外線LED) 2008年~ |
二酸化チタンを配合したジェルに紫外線LED(365nm)をアーチ型にして口の中全体に光が当たるようにしたホワイトニングシステム。
通常使用される過酸化物を全く含まないため、知覚過敏が出にくいのですが、ほかのホワイトニングに比べてかなり効果は弱い傾向にあります。
1回の施術でカラーガイド1~2段階前後白くなります。 |
ハード |
紫外線LED |
薬剤 |
二酸化チタン(医薬部外品) |
時間 |
1回1時間前後 |
料金 |
1回10,000円前後 |
ポリリン酸ホワイトニング 2009年~ |
歯磨きにも配合されているポリリン酸を自分で歯に塗布し、LEDを前歯に当てて白くするセルフホワイトニングシステム。
ピュールホワイトと同様、過酸化物を全く含まないため、知覚過敏は出ませんが、ほかのホワイトニングに比べてかなり効果は弱く、繰り返し行っても真っ白にはなりません。歯科医院では、ポリリン酸のジェルに過酸化水素を混ぜて行う場合があります。
1回の施術でカラーガイド1~2段階前後白くなります。 |
ハード |
LED |
薬剤 |
ポリリン酸(医薬部外品) |
時間 |
1回30分前後 |
料金 |
1回本500円前後 |
セルフホワイトニング 2009年~ |
酸化チタン配合のジェルを自分で歯に塗布し、LEDライトを前歯に当てて白くするシステム。
ポリリン酸ホワイトニングと同様、過酸化物を全く含まないため、知覚過敏は出ませんが、効果は弱く、繰り返し行っても真っ白にはなりません。
1回の施術でカラーガイド1~2段階前後白くなります。 |
ハード |
LED |
薬剤 |
酸化チタン(医薬部外品) |
時間 |
1回30分前後 |
料金 |
1回数千円前後 |
ホームホワイトニング
アメリカでは1989年から行なわれているホワイトニング。
日本でも2001年に厚生労働省の認可を受けました。
歯の型を取って歯のカバーを作り、その中にホームホワイトニング剤を入れてご自宅で使用します。日中30分~1時間程度使用するタイプと夜、寝ている間に使用するタイプがあり選ぶことができます。型さえ取ってしまえばその後は歯科医院に行かなくてもすみ、自分で好きなときにホワイトニングできるという手軽さがあります。但し、ホーム用なので安全のためホワイトニング剤の濃度は低く設定されており、2~3回の使用でカラーガイド1~2段階くらいずつの効果です。他のホワイトニングのメンテナンス用としても使用できます。
上下各20日分で25,000円~50,000円前後です。
その他のホワイトニング
ウォーキングブリーチ |
神経がない歯を白くする場合に行なう方法でかなり古くから行なわれています。神経の穴の中にホワイトニング剤を注入し仮詰めして帰宅してもらいます。椅子に座ってホワイトニングしてもらうのではなくホワイトニング剤を中に入れたまま歩きながら歯を白くするためこの名前が付きました。従来はこの方法が最もポピュラーで効果も高かったため神経がない歯には頻繁に行なわれていましたが、ホワイトニング技術が発達し、ウォーキングブリーチをしなくても神経がない歯を白くできるようになったため現在ではあまり行なわれていません。 |
OTCホワイトニング |
海外のドラッグストアで売られている商品を購入して行うホワイトニング。日本では薬事法上、市販されていません。古くはセットに入っている既成のマウスピースを使用していましたが、2000年ころから歯に貼るだけのストリップスタイプが発売され、一気にブレークしました。現在では歯に直接塗るマニキュアタイプが主流です。クレストホワイトストリップス、ブライトホワイトホワイトニングペン、GoSmileアドバンスなどが人気です。 |
デュアルホワイトニング |
デュアルホワイトニングは、コンビネーションホワイトニングとも呼ばれ、2種類以上の異なったホワイトニングを組み合わせる方法です。一般的にはオフィスホワイトニングとホームホワイトニングを組み合わせて行います。 |
インターナルブリーチ |
神経がない歯の内側にホワイトニング剤を入れて、そこにプラズマやレーザー、ハロゲンライトなどを当てて白くする方法です。通常はオフィスで行われますが、ホームホワイトニングと併用することもできます。またオフィスホワイトニングの他のシステムと組み合わせて行うこともできます。最近では神経がない歯は、ウォーキングブリーチに代わってこの方法が多く行われるようになりました。 |
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングはどちらがいいですか?
オフィスホワイトニングで使用しているお薬の濃度は、ホームホワイトニングの約10倍です。ホームホワイトニングの効果は、オフィスホワイトニングに比べるとかなりゆっくりですので、時間的に余裕のない場合は、オフィスホワイトニングのほうが良いでしょう。ホームホワイトニングは、白くなるまで回数がかかり、すべてを自分で行わなければならないので、かなり面倒です。また食事制限がホームホワイトニングの期間中ずっと続くため、これに耐えられない方も結構いらっしゃるようです。
このため、途中でやめてしまう方も少なくありません。抗生物質の影響で変色してしまっている方などは、ホームホワイトニングで長時間ホワイトニングを行なわないと、白くならない場合がありますが、普通の歯の方なら、まずオフィスホワイトニングを行ってみたらいかがでしょうか。
一昔前までは、オフィスホワイトニング剤が酸性だったため、中性のホームホワイトニングに比べると、透明感がなくなるといわれていましたが、現在の最新オフィスホワイトニング剤は、施術直前に中性にして使用するため、透明感がなくなることはありません。また裏側から矯正をしている方や、歯並びが悪い方は、オフィスホワイトニングは可能ですが、ホームホワイトニングはできません。胃に障害がある方、糖尿病の方もホームホワイトニングは避けたほうがいいでしょう。
逆に光過敏症の方やてんかん、呼吸器系に異常がある場合、膠原病の方、ペースメーカーを使用している方は、オフィスホワイトニングができない場合があります。
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